ファイナンシャルプランナーの中山沙映です。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、海外でも大ヒット。コラボ商品の売れ行きも上々で、炭治郎たちは、日本だけでなく、世界も救いそうな勢いですね。
こんなドル箱コンテンツ、マスコミが放っておくわけがない。ネットでもさかんに「鬼滅の刃を実写化するなら誰がよい?」といった話題があがっていますが…うーん、「鬼滅の刃」の実写化は難しいと思います。
でもね、私が好きな歌舞伎でも、舞台化の話が進んでいるようです。
Contents
「鬼滅の刃」歌舞伎化のうわさ
【「鬼滅の刃」歌舞伎化が進行中!実現は團十郎の襲名披露後か】
ある歌舞伎関係者は言う。
「新作として、『鬼滅の刃』の歌舞伎化制作に向けて話し合いが連日進められています。1年規模でのロングラン公演も検討しているそうです。11月6日から京都・南座で限定イラストなどを展示するコラボイベントが開催されるのもその布石でしょう」
これまで『ONE PIECE』や『NARUTO』といった人気漫画の歌舞伎企画が軒並み大成功。出演すれば一躍知名度アップにつながるだけに、役者たちからの“逆オファー”も多いという。
「原作の主要キャラクターの年齢は軒並み10~20代ということもあって、若手を中心にキャスティングする方向で検討しているそうです。制作サイドには出演を熱望する若手の声が寄せられているといいます。
“鬼滅の刃歌舞伎”の配役争い 炭治郎役最有力は香川照之長男!
主人公・竈門炭治郎の座を巡って“有名二世たちの熾烈なバトル”が勃発していた。 「まず名前が挙がっているのが、松本幸四郎さん(47)の息子で梨園きっての美少年として知られる市川染五郎さん(15)。また、中村芝翫さん(55)の息子・中村福之助さん(22)もイケメンと評判なので有力視されています」(前出・歌舞伎関係者)
なかでも本命と目されているのがドラマ『半沢直樹』TBS系)での強烈な演技も記憶に新しい香川照之こと市川中車(54)の息子・市川團子(16)だという。 「團子くんは原作漫画を何周も読み込むほど、大の鬼滅好きなので、『絶対に出たい!』と意気込んでいるそうです。また同じ澤瀉屋で中車さんとも仲のいい市川猿之助さん(44)は“ワンピース歌舞伎”で主演を務め成功させた実績がありますから、条件がそろっています」(前出・歌舞伎関係者)
「鬼滅の刃」歌舞伎化がリアルな理由
すでにコラボしてるから
上記でも触れていますが、今月11月6日から、京都南座にて、【鬼滅の刃×京都南座 歌舞伎ノ舘】というイベントが開催されます。チケットはすでに販売済みです。
ビジュアルが公式ページにのっています。歌舞伎バージョンの炭治郎、映画の中のポン治郎に似てませんか?
集英社との太いパイプ
歌舞伎界では、スーパー歌舞伎Ⅱで「ONE PIECE」、新作歌舞伎で「NARUTO」をやっていて、集英社とのパイプがあります。
そもそも「ONE PIECE」は、集英社から松竹へ「歌舞伎にしたい」と話を持ち掛けたのです。原作者の尾田先生が歌舞伎が好きで、「ワノ国編」など、歌舞伎からインスパイアされている感じがします。
ただね~、あんな有名な作品を歌舞伎にするって、かなり大博打だったはず。原作ファンからも、以前からの歌舞伎ファンからも、バッシングを浴びる可能性があるのですから。それを市川猿之助さんが火中の栗を拾う形でスーパー歌舞伎Ⅱにしたわけです。
結果的に、スーパー歌舞伎Ⅱ「ONE PIECE」は大成功し、この作品で坂東巳之助、中村隼人、尾上右近といった若手が急成長し、ファン層も広がりました。
歌舞伎界と集英社はwin-winな関係。そのため、歌舞伎化はかなり現実的だと思われます。
歌舞伎の世界観とマッチする
「鬼滅の刃」と歌舞伎は、世界観が非常にマッチします。
「鬼滅の刃」の時代が大正時代で、まだ和服の人も多い。鬼殺隊は刀を使うので、そのあたりの演技も、歌舞伎役者ならばバッチリ!
また、歌舞伎では「鬼」を題材にした演目も多いです。
マンガ原作の実写化が難しい理由として、マンガのキャラクターの外見にどこまで寄せられるか、という問題があります。鬼滅の場合、主要キャラクターが10代20代。でも演技力や、そのほか大人の事情で、その年代の役者さんだけでキャスティングできるはずもなく…原作ファンからしたら「これじゃない」感がハンパないです。
さらに、鬼滅の場合は、戦いのシーンが多いし、鬼のキャラクターは異形のものもいます。これ、予算なくてダサいCGで作られた日には、原作ファンが怒りますよ。
「ONE PIECE」のルフィはゴム人間、歌舞伎では腕、どうやって伸ばすの?と思いましたが…市川猿之助さんが、あっと驚く歌舞伎の手法で腕を伸ばしました。
なので、もし、「鬼滅の刃」が歌舞伎になっても、あっと驚く手法で水の呼吸のエフェクトを表現してくれるはずです。
歌舞伎界は新作welcome!
童話「あらしのよるに」、ジャンプ作品の「ONE PIECE」「NARUTO」、ジブリの「風の谷のナウシカ」。
最近のことしか知らないけれど、他に原作があるものを新作歌舞伎にするのは珍しいことではありません。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ONE PIECE」は2015年が初演。2017年にダブルキャストで再演しました。
猿之助さんは「伯父から常々言われていたのは、再演できる新作を創らなければいけないということです」とおっしゃり、それが実行できたわけです。
「こうして上演を繰り返すことで新作は古典になっていくのです」ともおっしゃっていました。
役者がこう思っているならば、新作は「是」だと思います。
歌舞伎役者もwelcome!
自粛期間中、中村隼人さんと坂東巳之助さんのインスタライブで、中村隼人さんが「自粛期間中、鬼滅の刃にハマった」とおっしゃって、巳之助さんも「あー、あれ人気だよね」とおっしゃっていました。巳之助さん自身の感想はなかったけれど、彼はジャンプ愛読者なので、絶対読んでいるはず。
もし、「鬼滅の刃」を歌舞伎でやるなら、メインキャラは若手でやるはず。巳之助さんがやるなら、炭治郎たち同期組でも、義勇さんたち柱でも、どっちでもいいな。
で、猿之助さんが、無惨さまとお館さまの二役!(歌舞伎では、一人の役者が複数のお役をつとめることがよくあります)
などど、すでに歌舞伎でのキャスティングを妄想しています。
古参の歌舞伎ファンがどう思うかわかりませんが…そもそも歌舞伎はその時代の事件を舞台にしてきました。だから、今人気の「鬼滅の刃」を歌舞伎にするのは、全然違和感なしです。
歌舞伎は常にチャレンジするものなのです。ぜひぜひ、「鬼滅の刃」を歌舞伎で観てみたいです!
「今、新作は難しい」と猿之助さん(2020年11月5日追記)
半沢直樹の伊佐山部長役で話題になり、歌舞伎座再開のタイミングもあって、市川猿之助さん、精力的にテレビ出演しています。
私は観ていませんでしたが、11月3日のテレビ出演で「鬼滅の刃」の歌舞伎化について聞かれて「もちろん作品として親和性はあると思いますけど、本当に今、コロナ禍で毎月の興業を開けるのも必死なので当面、歌舞伎が新作を生み出すことは難しいので…」とおっしゃったそうです。
記事はこちら→【市川猿之助、「鬼滅の刃」歌舞伎化の「情報は、ほぼガセネタです」】
うーん、猿之助さんが難しいって言うのなら、難しいんでしょうね。
新作歌舞伎って、お稽古の時間が必要なんですよ。スーパー歌舞伎「ONE PIECE」のときは、2ケ月くらいお稽古の期間があったと聞いています。
古典のときは、自分で練習、またはそのお役を得意とするお兄さん方に直接習いに行ったりして、ほぼ出来上がった状態で、舞台稽古。すぐ初日となるのです。
新作と古典は、まったく異なるアプローチで作っていくものなんですね。
猿之助さんのおっしゃる通り、実際の歌舞伎座だって、かなり短い演目や、セリフが少ない舞踊を中心としている今、新作は難しいのでしょう。
でも、猿之助さんもおっしゃっています。「ただ、これが実現するように、いい方向にいけば、演出方法によっては、とてもいい作品です」と。
猿之助さん、今は多少お時間があるでしょうから、ぜひぜひ、演出方法を考えて「鬼滅の刃」歌舞伎化を実現してください!何年でも待っています。(あ、でも何年も待っていると團子くんが大人になっちゃう…)