ファイナンシャルプランナーの中山沙映です。
2019年に話題となった老後資金2000万円問題。
みなさん、まだ記憶に新しいことと思います。
人生100年時代と言われる今、なぜ老後資金が重要なのか、まとめてみたいと思います。
Contents
人生の三大支出とは
ファイナンシャルプランナーの勉強の、わりと最初の方で学ぶことです。
人生の三大支出とは何でしょう?
それは「教育資金」「老後資金」「住宅資金」と言われています。
このうち、「老後資金」はもっとも重要です。
なぜなら、私のように、子供がいない人間は「教育資金」が必要ありません。
「住宅資金」も、実家に住むので必要ない、という方もいらっしゃいます。
そういう意味で、「教育資金」「住宅資金」は、必ずしも用意する必要がないわけです。
でも、「老後資金」は(不幸にも若くして亡くなる方は別にして)誰にでも必要な資金と言えます。
さらに言えば、「教育資金」「住宅資金」は、ローンを組むことができます。
ですが、「老後資金」の場合、ローンを組むことがかなり難しいです。年金担保ローンやリバースモーゲージといったローン商品がありますが、これらは利用条件等、なかなか難しいのでおすすめできません。
そういった意味でも、「老後資金」の準備は、とても重要なのです。
年金制度の設計ミス、意識をかえることが重要
私たちアラフィフの親世代は、日本の高度成長期に、現役時代を過ごしました。がんばれば、年功序列でお給料が上がった世代。現役時代にローンを組んで家を買い、退職金でローン完済。その後は年金で悠々自適…なはずでした。親世代もまた、自分の親たちが年金を沢山もらっているのを見ていたからです。
しかし、時代は変わりました。少子高齢化時代となり、大手企業でも倒産したり合併したりすることで、企業年金がどんどん減少していきました。
私たちアラフィフ世代(現役世代)も、お給料は上がらず、介護保険などの社会保険料の支出ばかり増えていく…節約だけではどうにもならない、と誰もがわかりつつも、厳しい現実から目をそらしてきました。
ここで言いたいことは、そもそも日本の年金制度は、退職後20年生きることを前提に設計されていました。
でも、人生100年時代と考えると、退職後は40年の人生がある時代。さらに年金は自分で積み立てるものではなく、次の世代が支えてくれる制度です。少子高齢化で、若い世代が減っていく中、これまでと同じと考えていてはいけません。
年金はもらえないのか?
これ、よく聞かれるし、よく聞くフレーズです。
年金はもらえます。
ただ、
年金額が今より少なくなる
受給年齢が今より引き上げられる
といった可能性はあります。
時々、「どうせ自分たちが高齢になったとき、年金なんてもらえないんだから、今払わない」と言う方がいます。
というより、年金制度が完全に崩壊するならば、その前に日本政府、日本経済が崩壊しています。なので、それは絶対に避けようとするので、年金もなくなることはありません。
そして、年金は高齢になってから受給できる「老齢年金」だけではありません。
若くして障害を負ってしまったときに受給できる「障害年金」。
不幸にも配偶者(と幼い子供)を遺して亡くなってしまった場合、遺族が受給できる「遺族年金」。
困難な状況に陥ったとき、これらがあるとないとでは大違いです。
とは言え、年金だけでは生きていけない、というのも本当の話。
次回、老後2000万円問題について、解説したいと思います。